この北町で(230)― あの人この人

           あたたかい言葉を子供たちは待っています

                            第四小学校校長 榛原 紀子 

 下の子が成人し、子育てがもう終わってしまうことに寂しさを感じている私は、ベビーカーを押す若いお母さんやお父さんを見ると、赤ちゃんと共有できる今の時間をもっともっと大切にしてほしいなあと思うのです。
 「子育て」の時間は過ぎてみるとあっという間でした。働く母親として自分の子供と過ごす時間は本当に短く、その時間がかけがえない幸せな時間だったと感じています。こんなことをしてやりたかった、こんな言葉をかけてやりたかったと反省することがたくさんあります。
 さてこの頃、電車の中で小さなお子さんがむずかるとスマートフォンを差し出して赤ちゃんの気を引こうとするお母さんや、赤ちゃんには見向きもしないでスマートフォンの画面に夢中になっているお母さんを見かけることが多くなりました。
 かつては電車の中でも赤ちゃんと見つめ合って、小さな声で赤ちゃんに語りかけているお母さんをよく見かけました。赤ちゃんは語りかけに応じ、笑ったり声を出したりして、その反応をお母さんがほめたり喜んだりしている様子をほほえましくながめたものです。

「子育て」は、食事を作り世話をするだけではありません。子供が人としてあたたかな心をもてるように育んでいくことが一番大切なのです。人とのコミュニケーションの取り方や距離感、親がやることなすことの全てが手本となって生活の中で子供の性格や習慣ができあがっていきます。親が語りかけてやることとスマートフォンの映像を子供に見せてやるのとは大きな違いがあります。

優しいお母さんお父さんの声を子供たちはもっともっと浴びて育ってほしいです。

 小学生のお父さん、お母さんも子供たちにたくさんの語りかけをしてほしいです。それは、子供たちの心の栄養になることは間違いないです。あなたのことを大好きなこと、いじめは絶対にいけないこと、親御さんの語りかける言葉は子供の心に届きます。

「子供イラスト無...」の画像検索結果